2007年11月23日金曜日

父の事

 私の父は小さい頃から病弱だったらしい。
 幼い頃から小児喘息、成長してからは気管支拡張症と、苦しそうに咳き込むときの独特の響きは遠くからでも父と認識できた。
 最初公務員になった理由も体が弱いというその辺の事情かららしい。
 後に当時の農協組合長に請われて農業技術者だった父が農協に転職したことは経済的にも精神的にも家族にとっては結果的に後々大きな負担になった。
 教師だった母は戦後の食糧難の経験から農業経営の観点から見れば充分とは言えない相続した農地を管理していくために教職を退き農業をすることになった。
 体が健康だった母が夫婦でやってもしんどいかと思える広さの農地を手伝いの人を雇っていたとはいえたった一人で管理して来たのは本当に大変なことだったと思う。
 小中高校と学校の暇暇に家事の手伝いをしてきた経験から言えば女手一つでよくもまあこれだけの事をやってこれたものだと只感心するばかりである。
しかしそのお陰で子供四人とも最高学府に学ぶことが出来たのである。

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