2007年6月23日土曜日

人間の卑しさ

 政治に関われば必然的に人間の卑しさに向かい合わねばならない。
政治はすべて利害が絡むからだ。
利害が絡むという事は欲と欲のぶつかり合いの現場に立ち会わねばならないという事を意味する。
 欲と欲のぶつかり合いというのは人間の卑しさと卑しさのぶつかり合いである。
どちらが上手にその卑しさをオブラートにくるみ、上品に隠蔽できるか。つまり、
 自分の内なる欲求を満たすために権謀術数を弄し相手をいかに論理的に屈服させる事が出来るか。
利害の政治的調整は最終的に権力のある者、言い換えれば周囲を従属させうる側に常により多くの利をもたらす。
そして権力のお陰で勝者の卑しさは上品に満たされ、敗者の卑しさは不満となって燻る。
敗者の不満が過度に燻れば革命や反抗など、今時ならテロ行動などの形で表出する。
古今の政治闘争は権力抗争の歴史であるが、それは権力のあるなしが富の獲得に密接に関わっているからである。
 卑しさというのは欲が表に出た状態を言う。
 少欲な人には卑しさは感じ取れない。

 般若心経には智慧(般若)を働かせて悟ろうではないか、あなたが不幸なのはつまらぬ欲(こだわり)のせいですよ、「欲を捨てよ」あるいは「少欲であれ」と説いている。

0 件のコメント: