2007年4月7日土曜日

カエル事件

 最近探し物をしていて息子の部屋で偶然にもみつけたモノ。
ふとしたきっかけというのはこんなことを言うのだろうと思う。
25年近く前の事を思い出した。
長男がまだ3歳か4歳頃の事ではなかったかと思う。
家族4人で滅多に行かない買い物に市内のアーケードまで出かけた。
そのときは何かイベントが行われていた様だ。
アーケードの中に珍しく屋台のお店があって、テキ屋のおじさんのかけ声につられて長男がその商品の並ぶ台に近づいて何やら手にとって見始めた。
 それはカエルの親子の大中小の小さな小さなゴム状の模型に緑の色で彩色されたかわいらしいものだった。
 子供にとっては結構高価なものだったと思うが、子供の気持ちをあまり確かめもせずに「さあ行くよ」と促してその蛙を元に戻させその場から離れた。
 子供はいつものようにとことこと後から付いてきていた。
 ところが家に帰ってからふと見ると子供が右手をしっかりと握りしめている。
 どうしたのかなと思って手を開かせると僅か数ミリの赤ちゃんのカエルであった。
 すぐに事情は分かったが今から返しに行くわけにも行かない。第一もう既にお店があるかどうかも分からない。長男には「何故人のものを黙って持ってきてしまったのか」「それは盗みだよ」と話して聞かせ盗みは一番いけない事だと懇々と説教をした。長男は手にくっついて離れなかったと言った。置いたつもりがそのままくっついてきたらしい。確かに子供の少し湿りがちの手にそのゴム製のカエルはくっつきやすいのである。その場は今後の注意をして納めることにした。「テキ屋のおじさんごめんなさい」と子供はつぶやいた。

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